ウォッシュチーズとワインの相性
今回はチーズ通にファンの多い「ウォッシュチーズ」に合うワインをご紹介していきます。
結論からいうとワインとチーズを合わせるコツは【味の強さを揃える】、もしくは【産地を揃える】という点。
ウォッシュチーズの特徴を理解しつつ、具体的なマリアージュ(ペアリング)例もご紹介していきます!
この記事を読めばウォッシュチーズにどんなワインを合わせるべきか、迷うことが少なくなるはず♪
最後まで読んでマスターしてしまいましょう。
ウォッシュチーズの作り方と味わい
ウォッシュタイプのチーズとは、表面を洗いながら熟成させたチーズのこと。
英語の wash=洗う が名前の由来になっています。
洗うと言っても、実際は食塩水を含んだ布や、塩水をつけた柔らかいブラシなどでチーズの表面を拭うのが主流です。
古くからチーズをウォッシュするようになった目的として挙げれられるのが次の2つの説。
- チーズの表面に繁殖するカビを取り除くため
- チーズの表面にリネンス菌を繁殖させて特有の風味を生み出すため
栄養豊富なできたてのチーズはカビが繁殖するのに絶好の環境。チーズの表面を拭うことで、このカビを取り除くことに繋がるんですね。
また、ウォッシングをしてチーズの表面を湿らせることで、リネンス菌を繁殖させる目的もあります。
「…というか、リネンス菌ってなんぞや?!」
という方がほとんどかと思いますが、リネンス菌は納豆菌の遠い親戚のようなもの。
湿った環境を好む菌で、チーズの表面をウォッシュする回数が増えるほどに粘り気を増していきます。
そして、納豆菌の遠い親戚というところからお察しの方もいるかもしれませんが、強い匂いを放つようになります。
この表皮の強めの風味こそがウォッシュチーズ特有の個性。「くさい!けど最高!」みたいに病みつきになってしまうんですよね。笑
オレンジ色が濃いウォッシュチーズほど匂いも強烈。
洗う回数が多いほど、また洗う時にワインやブランデーなど風味の強いお酒を使うほどに、チーズの色やベタつき、個性も強くなっていきます。
でも匂いのキツさは表皮から来るもので、中身の部分はクリーミーでマイルドだったりしますので、もし買ってはみたものの匂いがどうしても無理…という方は表皮を外して食べてみてくださいね。
中身は美味しい!とおっしゃる方も意外と少なくありませんので^^
代表的なウォッシュチーズ
世界的に有名なウォッシュチーズにはどんな物があるのでしょうか。
ここでは特に有名なウォッシュタイプのチーズをご紹介していきます。
- エポワス(Eppoisses)フランス ブルゴーニュ地方
ウォッシュチーズの王様として名高いのが「エポワス」です。
歴史は長く、16世紀初頭から修道院で生み出されたのが始まりとの説があります。
「マール・ド・ブルゴーニュ」という地元のブランデーで表面を洗っており、ウォッシュチーズの中でも強烈な個性でチーズ通を魅了しています。 - マンステール(Munster)フランス アルザス地方
7世紀頃に修道士によって生み出されたと言われる歴史あるウォッシュチーズ。
塩水でウォッシュしており独特の強い匂いがあるが、味わいは比較的マイルドでほのかなミルクの甘みが感じられます。
地元アルザス地方ではクミンシードと一緒に食べるのが定番で、よく一緒に売られています。
茹でたてのジャガイモと一緒に食べるのもおすすめ。 - モンドール(Mont d'Or)フランス フランシュ・コンテ地方
秋冬のみ造られる季節限定チーズ。
8月15日〜翌3月15日の間のみ製造が認めれ、販売は9月10日〜翌年5月10日までと制限されています。
エピセアという木箱に入れられることで木の風味が感じられるのが特徴。
「チーズの真珠」と称され、カスタードクリームのように艶々した生地と濃厚なミルクの風味が魅力です。 - タレッジョ(Taleggio) イタリア ロンバルディア州など
10世紀頃からの長い歴史を持つ、イタリアを代表するウォッシュチーズ。
塩水でウォッシュしており、フランスのものと比べても味わいが穏やかで初心者にもおすすめです。
モチモチした食感とクリーミーなミルクの風味が魅力的。
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さて、ウォッシュタイプのチーズと相性が良いワインはどんなものでしょうか。
ここで頭に入れておきたいポイントは2つ。
1.ワインとチーズの味の強さを合わせる
2.ワインとチーズの産地を合わせる
この2つのどちらかを実践すれば、ワインとチーズの相性は大抵うまくいくはずです。
ウォッシュチーズは全般的に味わいにコクがありクリーミーですので、赤ワインと好相性です。
逆にさっぱりした白ワインだと、風味豊かなチーズに対してワインが負けてしまいがち。
白で合わせるのならば、コクを感じられるまろやかなタイプが良いでしょう。
ワインとチーズの味わいバランスを揃えるという点を意識してみてくださいね。
・味わいの穏やかなウォッシュチーズ
→フルーティーで軽やかな赤ワイン、
コクのある芳醇な白ワイン
・風味が強めなウォッシュチーズ
→ボディのしっかりした赤ワイン
オールマイティーなところだと、力強いタイプのシャンパーニュがおすすめ。
また、地元のチーズ×ワインの組み合わせは無条件にハマる最強コンビです。
・ブルゴーニュ地方のエポワス×同地方の赤ワイン
・アルザス地方のマンステール×ゲヴュルツトラミネール種の白ワイン
などなど…、例を挙げればキリがないのですが、同郷の組み合わせはマリアージュの鉄板ですね。
まとめ
ウォッシュチーズとは表皮を濡れた布で拭ったりすることで菌を発生させ、独特の強い風味とクリーミーなミルクの風味がたっぷり味わえる軟らかいタイプのチーズです。
ワインを合わせる時には下記の2つを意識することがポイントでしたね。
1.ワインとチーズの味の強さを合わせる
風味の強いタイプ→濃厚で力強い赤ワイン
風味の穏やかなタイプ→フルーティーな赤ワインかコクのある白ワイン
2.ワインとチーズの産地を合わせる
地元が同じワインとチーズは好相性!
現地でも親しまれている定番の組み合わせです。
ぜひチーズの楽しみを深めていってくださいね!
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この記事を書いた人
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個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine
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