シャルドネとはどんな白ワイン品種?合う料理やおすすめ銘柄もご紹介!
シャルドネと書かれたワインを多く見かけるけど、どんな特徴のワインなんですか?
それぞれの味の違いや料理と合わせるコツとかあるのかな?
そんな疑問にお答えしていく記事です。
ワインにそう詳しくなくとも、なんか聞いたことがある!という声が多いのが「シャルドネ」という名称。
世界で最も有名と言っても過言ではない、白ワイン用ブドウ品種の名前です。
この記事ではシャルドネの品種個性に触れながら、産地や造り方による違い、料理との合わせ方などを解説していきます。
最後まで読むと、何となく飲んでいたシャルドネのワインの楽しみが深まるはず!
おすすめワインもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。
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Contents
シャルドネ基本データ
シャルドネの品種個性
シャルドネは環境適応能力が高い品種とされ、世界のあらゆるワイン産地で栽培されています。
全世界におけるシャルドネの栽培面積は年々増加傾向にあり、2000年から2016年の間で4割近くも増加しているデータも。
引用元はこちら
つまり世界各国でシャルドネを使ったワインが増えており、いかにシャルドネにブランド力があり人気が高いのが伺えます。
価格帯も数百円のものから数十万円の超高級品まで、幅が広いのが特徴的。
コンビニでもシャルドネはたいてい置かれていますし、専門店やレストランに行けばシャルドネを使った高級銘柄がオンリストされていることが多いです。
原産地はフランスのブルゴーニュ地方。
ブルゴーニュではシャルドネを使った上質なワインが多く、世界最高峰と謳われる白ワインもこの地で造られます。
品種の特徴を説明する時に度々用いられるのが次のようなもの。
→ 個性がないのが個性
→ 変幻自在
→ 真っ白なキャンバス
他のブドウ品種と区別するための明確な風味個性を持っていないのがシャルドネ。
環境適応能力が高い点から、同じシャルドネを使っていても栽培エリアの気候や土壌、醸造方法によって違った表情を見せる点が面白いブドウ品種と言えます。
「シャルドネ=こんな香り!味わい!」…とは明言しづらいですが、ニュートラルさや柔軟さを持っている点が、シャルドネの多彩な個性にも繋がってくるのですね。
では、産地や醸造方法によってどのような違いが出てくるのでしょうか。
大まかな特徴の違いをご紹介していきます。
産地による違い
【冷涼な産地】
ワインの色合いは淡い傾向。
酸味がシャープで柑橘系フルーツのニュアンスを持った爽やかなタイプ
【温暖な産地】
ワインの色合いは濃い傾向。
酸味がまろやか。南国系フルーツのニュアンスを持ったフルーティタイプ
このように冷涼な産地ほど酸味がキリッとしたタイプになりやすいですし、温暖な産地ほどより果実味を感じさせるタイプになる傾向です。
冷涼な土地柄だとブドウの酸味が残りやすく、温暖なエリアではブドウの糖度が上がりやすいから、ワインにもこのような特徴が出てくるというわけです。
これはシャルドネに限らず、他のブドウ品種にも当てはまることでもあります。
醸造法による違い
【ステンレスタンク発酵/熟成】
果汁の風味が生きたクリアな味わい
【木樽発酵/熟成】
ナッツのような香ばしさやバニラのような甘やかさがプラスされる
ブドウを発酵させる際、ワインを熟成させる際にどのような容器を使うかで、ワインの仕上がりに違いが生まれてきます。
シャルドネは木樽(オーク樽)との相性が良いとされるブドウ品種。
白ワインにおける“樽香”を感じてみたい時には、シャルドネの樽熟成のものを探してみるのがおすすめです。
「シャルドネが好き!」と言っても、できればもう一声「どんなタイプのシャルドネが好きか」が言語化できるとワイン選びもしやすくなるはず。
シャルドネの代表産地
世界に栽培エリアが広がるシャルドネですが、代表的な産地とワインの特徴をご紹介していきます。
フランス・ブルゴーニュ地方
世界で生み出される高級な白ワインに「シャルドネ」を使ったものは多いですが、その筆頭格がフランス・ブルゴーニュ地方で造られるワイン。
ワインを理解していく上で絶対に外せない、世界的銘醸地です。
ブルゴーニュ地方はシャルドネの原産地とされており、ブルゴーニュ地方の白ワインはほとんどが「シャルドネ100%」です。
シャルドネはとりわけブルゴーニュ地方で真価を発揮すると言われ、以下の産地が世界的にもよく知られています。
著名産地(北からご紹介)
【シャブリ(Chablis)】
ブルゴーニュ地方最北の地区名であり、辛口白ワインの代名詞として世界的に有名。
手頃な価格のものから、「一級畑(プルミエ・クリュ)」「特級畑(グラン・クリュ)」の名前を冠したものまで、等級によって値段の幅が広い。
【モンラッシェ(Montrache)】
世界最高峰の白ワインと讃えられる。
モンラッシェとは特級畑(グラン・クリュ)の名前。
畑はコート・ド・ボーヌ地区のピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる。
香り高く鮮烈で、辛口でありながら甘美なワイン。
【コルトン・シャルルマーニュ(Corton-Charlemagne)】
特級畑(グラン・クリュ)の白ワイン。
畑はコート・ド・ボーヌ地区のアロース・コルトン村をはじめとする3つの村にまたがる。
ワインの名前は、8世紀頃に活躍したフランク王国のカール大帝から来ているとされ、大帝のフランス語名「シャルルマーニュ大帝」から命名された説がある。
【ムルソー(Meursault)】
白ワインの聖地として世界的にも認められている、コート・ド・ボーヌ地区に位置する小さな村。
辛口でありながらナッツを感じさせるまろやかなワインとなる。
【マコン・ヴィラージュ(Macon-Villages)】
ブルゴーニュ地方南部に広がる広大なワイン産地。
ブルゴーニュの他の産地と比べても暖かく、フルーティなタイプのシャルドネが多い。
地方内でも手頃な価格なワインが見つけやすい。
ブルゴーニュ地方の白ワイン(シャルドネ100%)の産地を北から順にご紹介しました。
この地方は南北約200kmに渡って伸びる広いエリアで、北部のシャブリ地区と南部のマコネ地区とでは違った個性のワインになります。
北ほど気候が冷涼なので酸味のすっきりしたワインになりますし、南ほど気候が比較的温暖でまったりフルーティーな個性に。
また、ブルゴーニュ地方の中腹にある「コート・ド・ニュイ地区」にはシャルドネを使った高級白ワインが軒を連ねていて、先にも挙げた「モンラッシェ」や「コルトン・シャルルマーニュ」など特級畑ワインは愛好家にとって垂涎もの。
ブルゴーニュ地方のシャルドネは「シャブリ」に代表されるキリッとミネラル感たっぷりな淡麗タイプから、「モンラッシェ」のようなリッチで芳醇なタイプ、「マコネ」で造られるフルーティータイプなど非常に豊富なバラエティが楽しめます。
ただ、ブルゴーニュの特定の地区名・村名が書かれたワインは値段もそれなりに張りますので、まず手始めに「ブルゴーニュ(Bourgogne)」とラベルに書かれた地方名ワインから試してみるのも良いですね。
アメリカ・カリフォルニア州
カリフォルニアも世界的に有名なシャルドネの産地です。
大きなきっかけとなったのが1976年の「パリテイスティング(パリスの審判)」という、世界のワイン業界に衝撃を与えた出来事。
フランスの錚々たる顔ぶれの高級ワインと、当時まだ世界的知名度の低かったカリフォルニアのワインの比較テイスティングするイベントで、トップに立ったのがカリフォルニア産シャルドネだったのです。
以降、本家ブルゴーニュを脅かすような高品質のシャルドネが多く生み出されています。
カリフォルニアシャルドネは、他の産地と比べてもアルコール度数が高め(14度以上)で木樽のニュアンスが強いワインが多い傾向にあります。
パワフルでリッチなタイプのシャルドネを楽しみたい方におすすめの産地です。
チリ
コストパフォーマンスの高さでいくと、チリ産ワインの右に出るものは少ないでしょう。
チリは温暖で乾燥した地中海性気候。ワイン造りに最適な環境です。
苦労せずともブドウがよく熟し、果実の美味しさをそのまま凝縮させたようなフルーティーなワインが出来上がります。
よく熟れたチリのシャルドネから生み出されるワインは、パイナップルや黄色い桃のような果実感に溢れた親しみやすい味わいです。
・恵まれた自然環境
・土地の価格や人件費が諸外国と比べ抑えられる
・日本とチリ間で結ばれた経済連携協定により、輸入時の関税がゼロ
このような点からお手頃な価格で美味しいワインを発掘できるのがチリワインの魅力でもあります。
まったり甘い味わいや、樽のニュアンスが感じられるシャルドネを気軽に試してみたい時におすすめですよ!
シャルドネと料理の相性
個性の幅が広いシャルドネですので、相性の良い料理も多岐に渡ります。
合わせるコツはワインと料理の味わいバランスを揃えるということ。
・酸味のきいた軽快なタイプにはさっぱり冷たい料理を
・コクのある濃厚なタイプには火を通したコクのある料理を
このポイントを意識しながら、具体的な料理案もぜひ参考にしてみてくださいね!
酸味のきいた軽快タイプ
キリッと酸味の豊かなタイプ(シャブリをはじめとした冷涼な産地のもの)には、さっぱりとした料理がおすすめです。
例えば、
・魚介のマリネやカルパッチョ
・シーフードサラダ
・白身魚の刺身や寿司
・天ぷら(塩) など
爽やかで軽快な味わいのワインには、新鮮な魚介類や酸味のきいた料理と好相性。
ワインはよく冷やした状態だと、キレのある酸味が引き立って美味しく味わえるでしょう。
コクのある濃厚タイプ
酸味が穏やかでほどコクが感じられたり、樽のきいた芳醇なタイプであれば、火の通った魚介料理や揚げ物、肉料理など好相性です。
例えば、
・白身魚のバターソテーやムニエル
・クリームコロッケ
・カキフライ
・若鶏のクリーム煮 など
「白ワインには魚」という定説が出回っていますが、酸味がまろやかでリッチなタイプのシャルドネであれば、豚や鶏肉などの白身の肉にも味わいバランスは合いますよ。
ソムリエおすすめのシャルドネワイン
まず以前に反響があった南フランスのシャルドネは、コスパ的にもとてもおすすめ!
フルーティーで上品に樽がきいた1,000円台の秀逸なワインです。
冷涼産地のシャルドネであれば、ウィリアム・フェーブルのシャブリは定番ですね。
樽をガツンと効かせた芳醇タイプの代表はチリのモンテス・アルファですね。
ここの項目には、今後も順次おすすめワインを追加していきますね!
参考になれば嬉しいです。
まとめ
世界で親しまれる「シャルドネ」は、多様な個性のワインを生み出す白ブドウの女王。
世界に名だたる高級白ワインにも用いられるポテンシャルの高さを持ちながら、環境適応能力の高さから世界中のワイン産地で栽培されています。
・寒い産地ほど酸味がシャープ
・暖かい産地になるとフルーティー
・木樽を使うと香ばしくリッチなテイスト
このように育った環境や造り方によってワインの個性が左右され、飲み比べが楽しいブドウ品種でもあります。
価格の幅も1,000円前後から数十万、百万するような物まであり、シャルドネはワイン初心者からワイン愛好家まで飲み手を飽きさせない魅力的なブドウ品種です。
ぜひ世界のワイン産地を旅する感覚で、様々なシャルドネを楽しんでみてくださいね♪
最新情報はLINEより配信しています。
この記事を書いた人
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個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine
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