ワインのラベルの読み方 〜初心者が注目すべき5つのポイント〜


ワインの裏ラベルに味の詳細が書いていない場合、何を参考に選んだら良いんだろう?
自分でラベルを見ながらワインを選ぶポイントがあったら知りたいです。


こんな疑問を解消する記事です。

ワイン選びのハードルを高く感じさせる要因のひとつが【ラベルに書かれていることが分からない】というところですよね。


ですが、ワインのラベルは履歴書のようなもの。

ラベルに書かれた情報が読み取れるようになると、飲む前にそのワインの大まかな特徴がイメージしやすくなります。



今回の記事では、

・ラベルに書かれている主な情報と意味合い

・初心者がまず注目すべきポイント

について解説をしていきます!


ワインのラベルに苦手意識を持っている方は少なくありません。

でもラベルが読めるようになるとワイン選びの幅がグンと広がって断然楽しい!です♪

まずはラベルに記載されている項目について押さえて、普段のワイン選びに役立てていきましょう。


【この記事の執筆者】

2010年ソムリエ資格取得。チーズプロフェッショナルという資格も持っています。
現在は当ワインメディアの運営と講師業をメインに活動。
2019年ストアカワイン講座No.1&トップレビューを獲得しました。


この記事を読むことで、ワイン選びのお役に立てれば幸いです。


それでは早速見ていきましょう。

ラベルに書かれていることと意味合い


自分でラベルの情報を読み取れるようになると、ワイン選びがスマートに、そして選ぶ楽しみがいっそう深まります。


ちなみに、「ラベル」というのは英語での呼び方。

「エチケット」と呼ばれるのを聞いたことがある方もいるかと思いますが、これはフランス語での呼び方となります。


ラベルに書かれている主な項目は下記の通り。

ラベルに書かれている主な項目

・商品名
・産地名(国名、地方名、村名、畑名など)
・ブドウ品種名
・ヴィンテージ
・アルコール度数



この中でも産地名、ブドウ品種名、ヴィンテージ、アルコール度数に注目するようにしましょう。


それぞれの項目からわかることについて解説していきます。

産地名

ブドウはどんな気候のもとで育つかで、熟し方(糖度)や酸度の高さが変わってきます。


つまり、どこで造られたか(産地)がワインのアイデンティティーを形成する上で重要なポイントとなるのです。

そう考えると、ラベルの【産地名】を軽視することはできないのですよね。


ラベル内の「産地名=原料ブドウの産地」です。


産地名は、詳細な地区や村の名前の場合もあれば、「Produce of France」「Wine of Chile」などのように国の名前が書かれたものもあります。


ラベルに表示されている地名の範囲が狭いほど、一般的にワインの格が上で個性もよりしっかりと感じられ、価格も上がります。


「畑名>村名>地区名>地方名>国名」

単に国の名前だけが書かれたワインよりも特定の地名が書かれているほど、格上といった感じです。



フランスを始めとするヨーロッパでは特に原産地表示に関する制度がしっかりと根付いていて、細かい村の名前やそこで栽培されているブドウ品種などの知識を持っているほど、ラベルからどんな味わいのワインなのかが想像しやすくなってくるのです。


理想を言えば、エリアごとのワインの特徴も少しずつ覚えていきたいところではありますが、正直言ってしまうとある程度しっかりと学びながら積み重ねることが必要となります。


なので、まずはラベルに書かれた国の名前を探す。


ここから始めていきましょう。


必ずどこの国のワインかをわかった状態で飲むようにしましょう。



最初は、なんとなくピンときた国のワインを飲むでも構いません^^


その中で「このワイン好きかも!」と思ったら、そのワインの生産国を覚えるようにしましょう。


例えばそれがチリであれば、しばらくは同じ生産国(チリ)縛りで飲み比べていくのも良いですね。

続けていくと、その生産国の大まかなワインのキャラクターが掴めるようになってきます。

ブドウ品種名

ラベルを見る時にはぜひブドウ品種名をチェックするようにしてください。

同じ土地で育っていても、どんなブドウ品種を用いるかでワインの方向性は大きく変わってきます。


これはそんなに難しいことではなく、考えてみればイチゴやリンゴなど、ブドウ以外ののフルーツでも同じですよね。

リンゴならふじや紅玉など、品種が変われば甘味や酸味のバランスが違うことは、リンゴにさほど詳しくない私でもイメージしやすいところです。


ワイン用のブドウにも数千のレベルで品種の種類が存在していて、どのブドウ品種なのかで味わいのタイプが変わるのです。


いろいろなワインを試す時にはブドウ品種を意識しながら選ぶのがおすすめで、初心者の方は多数あるブドウ品種の中でも王道のものから試していきましょう。

王道ブドウ品種とは?

赤ワイン用ブドウ
 1.カベルネ・ソーヴィニヨン Cabernet Sauvignon
 2.ピノ・ノワール Pinot Noir
 3.シラー Syrah

白ワイン用ブドウ

 1.シャルドネ Chardonnay
 2.ソーヴィニヨン・ブラン Sauvignon Blanc
 3.リースリング Riesling


上に挙げたブドウ品種は国際的に見ても非常に有名なブドウ品種。

ワイン好きな人との会話では共通言語となるくらい、最初に押さえておきたい品種です。


ワインを買う時にもラベルに書かれたブドウ品種名に注目をしたいのですが、実は全てのラベルに書いている訳ではありません。


ではどんなワインのラベルに書いているのかをざっくりお伝えすると次の通り。


【品種名がラベルに書いているワイン】

 ヨーロッパ以外の生産国(アメリカやチリ、オーストラリア、ニュージーランドなど)のワイン。

 これらの生産国のことを「ニューワールド」と呼んだりもします。


【品種名がラベルに書いていないワイン】


 ヨーロッパ(「オールドワールド」と呼んだりもします)のワインに多い。

 ヨーロッパのワインは産地名を重視する傾向にあり、品種名を書いていないケースが多いです。
 



つまり、ブドウ品種の個性を掴んでいきたい時には、ニューワールド(ヨーロッパ以外の生産国)のワインのラベルを見た方が断然探しやすいということになりますね。


逆にヨーロッパのワインを買う時にはラベルに品種名が書かれていないことが多いです。

なので売り場の説明書きを見たり、お店の人に「このワインのブドウ品種はなんですか?」と聞くと教えてくれますよ^^


ワインを飲む時には、どんな品種を用いているのか意識する習慣をつけていきましょう。



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ヴィンテージ


ワインにおける「ヴィンテージ」とは、ブドウの収穫年のことを指します。

ラベルを見ると、ほとんどのものに2018とか2019のような4桁の年号が書かれているので、見る習慣をつけましょう。


上の写真のラベルには2015と書かれていて、「2015年に収穫されたブドウから造られたワインですよ」と示しています。


年号が新しいワインほど若い状態のワインで、素直なフルーティーさやフレッシュ感がしっかり感じられることが多いです。


年号が古いワインほど、その年月の分ボトルの中でワインが寝かされた状態なので、若い時とは違う変化が生じているということになります。


例えば若いワインであれば、もぎたてのフルーツの香りが感じられるのに対し、熟成したワインからはドライフルーツや紅茶の葉などの乾いた香りが感じられたり。


自然界の植物が最終的に枯れて土に還っていくように、ワインも年月を重ねるごとに徐々に乾いてきて土に近い香りになり、複雑さを増していくのです。


おそらく日常的に楽しむワインであれば若いヴィンテージのものが多いかと思いますが、ヴィンテージの意味合いを知った上でラベルに書かれた4桁の年号をチェックする癖を今から付けていってくださいね。


生産者名


例えば同じ村で、同じブドウ品種を使ってワインを造っても、生産者が変わればワインの個性は異なってきます。

これは料理でも言えることですよね。

例え食材が一緒で同じ料理を作るにしても、料理人だったり家庭ごとに趣の異なる料理ができるように、ワインも造る人の技術や意向が仕上がりの味わいに反映されます。


ただ、最初は特定の生産者のワインを選ぶというよりは、産地や品種を意識してワインを楽しんでいく中で、好きなワインがあれば生産者の名前もチェックしてみる、といった温度感で良いのではないかなと思います。


まずは好きなブドウ品種や国を見つけて、ある程度好みが固まった段階で好きな造り手を探っていきましょう♪


アルコール度数

アルコール度数はラベルのどこかに必ず書かれています。

ワインの一般的な度数は12〜14%で、数値が高いほど酔いやすい…のは勿論なのですが、味わいのボリューム感も左右します。


度数が低めなほどさらっと軽快に飲める味わい。

高めなほど濃厚でコクや飲みごたえが出てきます。



軽くリフレッシュ感覚で飲みたいのか、それともドシッとしたお酒の味わいに浸りたいのか。

気分に応じたワイン選びに、実はアルコール度数が一役買ってくれることもあります。

アルコール度数の高さは、イコール飲みごたえだったりもします。
軽やかなワインであれば12度くらい、重めのワインであれば14度くらい。
そんな風にイメージ付けておくと、ワイン選びに役立つシーンがあるかもしれません♪


まとめ


ワインのラベルでみるべきポイントをお伝えしました。

改めてチェックポイントをまとめますね。

【産地名】

ワインはブドウ100%で造られるお酒。

気候の暑いor寒いでブドウの熟し方が変わり、ワインの甘みや酸味のバランスにも影響をします。

まずはどの国で造られたかをチェックするようにしよう。



【品種名】

ブドウは品種ごとに特徴(甘さや酸味、渋みなど)が異なり、それがワインにも大きく影響します。

自分好みのワインを探す時には、品種を切り口としたワイン選びはおすすめです。

ただし、ヨーロッパ(オールドワールド)のワインのラベルには品種名が書かれていないことが多いので、ブドウ品種でワインを選びたい時にはヨーロッパ以外(ニューワールド)のワインが置かれているコーナーに行きましょう。



【ヴィンテージ】

ラベルに書かれた年号(収穫年)が若いほどワインはフレッシュでフルーティーな状態。

年数が経過するほどにワインに何らかの変化(熟成・劣化・複雑化など)が起きている可能性があります。


そうした細かい違いが分からずとも、まずは毎回ヴィンテージをチェックする癖をつけることが大切です。



【生産者名】

造り手も100人いれば100通りの考え方やセンス、技術を持っていて、ワインにそのまま反映されていきます。

まずは好きな産地や品種を見つけつつ、美味しいワインに出会ったらその生産者をチェックしておくと良いですね♪


【アルコール度数】


ワインの一般的なアルコール度数は12〜14度で、度数が高いほど味わいが濃厚で飲みごたえが出てきます。

逆に度数が低ければ、より軽快に飲める印象。

アルコール度数は必ずラベルに書かれているので、目を向ける習慣を付けていくと、アルコール度数と味わいの関係性が見えてきますよ。

 



ワインのラベルはローマ字が羅列されているので、つい敬遠してしまいがち。

でもじっと目を凝らしてみると、国の名前やブドウ品種、ヴィンテージやアルコール度数など、初心者のあなたでも何かしら読める項目があったりします


1つでも自分でわかる情報があると、ワインの楽しさをより感じられるようになるので、少しずつでもラベルを眺める習慣を付けていきましょう。

ワインの産地や品種に関する基礎知識は今後も解説していきますね。

地道に学びながら1つずつ分かることを増やして行けば、着実にワインの楽しみが深まりますよ!
最初の一歩はワインのラベルを眺めて、読める項目を探すことです♪

より効率的に習得したい方にはこちらのレッスンもおすすめです^^


今日の記事はここまでです。


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この記事を書いた人

佐藤 洋美
佐藤 洋美Delight-Full Wine代表
個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine