「飲みやすい」「万人受けする」ワインってどんなもの? part2
ワインは種類が多すぎるがゆえ、選ぶのが難しい…。
知らないワインを買ってみて外したら嫌だからなかなか冒険ができない。。
誰しも感じたことがあることだと思います。
前回の記事では、できるだけ尖った要素が少ないワインが、いわゆる「飲みやすい」と言われるものですよ。というお話をさせてもらいました。
今日は具体的に“飲みやすい”ワインとはどんなものかについて解説していきますね。
Contents
酸味や渋みが穏やかなワインの見分け方
酸味や渋みはワインに鋭さを与える要素ですので、酸味や渋みがしっかりしたワインというのは万人に受けるという部分では遠くなってしまいます。
ではどうやってこれらの要素が穏やかなものを見分けたら良いかを【品種】と【産地】の観点からお話したいと思います。
寒い産地のワインは酸味が強くなる
ワインはぶどう100%のお酒。
ぶどうが原料の「農作物」ですので、どんな環境のもとで育ったかで酸味と甘みのバランスが変わってきます。
これは他の果物も同じですよね。
青森で育ったりんごはより甘酸っぱく、宮崎で育ったマンゴーはより甘くて。
ぶどうも寒い場所ほど酸味が強く、暖かい場所ほど甘みが強くなります。
なので、酸味の穏やかなワインを選びたいのであれば、寒い土地のワインは外すのが吉となりますね。
寒い暑いを何となくイメージする目安は、赤道からの距離感で考えてみてください。
日本だったら北海道と沖縄みたいな感じで、赤道からより遠いほど冷涼な気候となりますね。
北半球と南半球では南北による暑さ寒さが逆で
・北半球は北ほど寒い
・南半球は南ほど寒い
となりますのでお気を付けくださいね。
私のワインレッスンでは地図を何度も(しつこいくらいに笑)確認しながら、産地の知識を付けてもらうようにしています。
それは何故かというと、ワインの個性は産地の気候の影響を大きく受けながら形成されるものだから。
同じフランスでも、北の方に位置するロワール地方やブルゴーニュ地方の北部(シャブリ地区)などは冷涼な気候による酸味のキリッとしたワインが造られます。
暖かな産地ほど甘みが出て飲みやすい
逆に気候が温暖な産地になると、ぶどうの熟度が上がりやすいことからワインにも甘みがより強く感じられるようになり、それはすなわち口当たりのまろやかなワインということになります。
フランスであれば、ブルゴーニュ地方でも比較的温暖な南部から地中海にかけてのエリア。
イタリアも北部より南部。日照量豊富なスペイン、アメリカのカリフォルニアやチリ、アルゼンチン、オーストラリアなど。
フルーティーなほどより飲みやすく、万人から親しまれるキャラクターのワインとなります。
産地の知識を付けていくのは一朝一夕にはいかないと思いますが、最初はイメージで構いませんので“より暖かそうな場所“のワインを選ぶようにしてみてくださいね^^
ぶどう品種による【酸味】の違い
また、原料ぶどうの品種によっても酸味の強さは変わってきます。
この辺も他の果物と同じですね。
【酸味が強い傾向の白ワイン用品種】
・シャルドネ(寒い産地で育ったもの)
・ソーヴィニヨン・ブラン
・リースリング
・シュナン・ブラン など
【酸味が穏やかな傾向の白ワイン用品種】
・シャルドネ(暖かい産地で育ったもの)
・ゲヴェルツトラミネール
・ヴィオニエ など
特に白ワインは“酸味”が味わいを構成する上で重要な要素となっていますので、産地の気候や品種の個性などぜひ参考にしてみてください。
赤ワインの場合も、寒い場所ほど酸味が強く感じられるようになるのですが、冷涼な気候のもとで赤ワインを造ろうとすると、赤ワイン特有の色や味の深みが出づらくなるので、白ワインよりも暖かな産地で造られていることが多いです。
ぶどう品種ですと、ピノ・ノワールやカベルネ・フラン、サンジョヴェーゼ、ネッビオーロあたりは酸味の輪郭がくっきり出てきやすいです。
ぶどう品種による【渋み】の違い
渋みは赤ワインに多く含まれる成分であり、赤ワインの個性を分ける重要な要素です。
渋みはどこか来るかというと、主にぶどうの皮や種からです。
渋み成分の含有量もまた、ぶどう品種によって異なってきますのでご紹介しますね。
【渋みが強い傾向の赤ワイン用ぶどう品種】
・カベルネ・ソーヴィニヨン
・シラー
・ネッビオーロ
・マルベック など
【渋みが穏やかな傾向の赤ワイン用ぶどう品種】
・メルロ
・ピノ・ノワール
・ガメイ
・グルナッシュ
・ジンファンデル
・マスカット・ベーリーA など
まずは自分の「酸味」や「渋み」に対する好みを認識しよう♪
このように、ワインは大きく「品種」×「産地」の掛け合わせで違いが出てきます。
ワイン選びで外さないようにするためには今日ご紹介した知識も大事ですが、それプラスあなたの好みがどうなのか。
ここをぜひ押さえて欲しいのです。
・酸味が強い白ワインが好きかどうか
・渋みの強い赤ワインが好きかどうか
まずはあなた自身の好みを認識するところから始めてみてくださいね!
その上で今日の記事を参考にしてもらえると、より好みのワインに近づける可能性が高くなるはずです。
これからも色々なワインを楽しんでいきましょう♪
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この記事を書いた人
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個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine
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