白ワイン品種シュナン・ブランの特徴と厳選おすすめワイン
シュナン・ブランってどんなブドウ品種ですか?
品種の特徴や産地、おすすめワインがあったら教えてください!
こんな疑問を解消する記事です。
国際的な白ブドウ品種であるシュナン・ブランがどんな特徴を持っていて、どんなタイプのワインが造られるのかをこの記事では学ぶことができます。
シュナン・ブランは私も好きなブドウ品種のひとつで、フランス・ロワール地方や南アフリカなどで魅力的なワインが造られているんですよ!
私のおすすめワインも何本かご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね♪
それでは早速みていきましょう。
Contents
シュナン・ブラン基本情報
国際的な白ブドウ品種の「シュナン・ブラン」の基本データを見ていきましょう。
私も普段からお世話になっている「ワイン基礎用語集」によると、シュナン・ブランの特徴はこのように説明されています。
シュナン・ブラン Chenin Blanc
フランス・ロワール川中流域で白ワイン用の主要品種。
カリフォルニアや南アフリカでも多く栽培。
汎用性に富み、日常用の辛口テーブルワインからスパークリングワインや貴腐ワインまでつくり出す。
酸が強く花梨やアプリコットの香りを持つ。
シュナン・ブランはフランス・ロワール地方が代表産地ですが、現在は南アフリカでも注目の品種です。
世界中で栽培されている品種ではありますが、とりわけ涼しい産地で真価を発揮します。
ワインの特徴としては、豊かな酸味が最高の持ち味。
(豊富な酸味はワインの長期熟成に耐える力にもつながります。)
黄色いフルーツ(黄桃、花梨など)や蜂蜜など濃密な果実感も特徴的で、これらの香りはキンキンに冷たい状態ではなくやや高めの温度でよりはっきり感じられます。
そして白ワインやスパークリングワインだけでなく、貴腐ワイン(極上の天然甘口ワイン)の原料に用いられることもあり、多彩で良質なワインが生み出されているのもこの品種の面白いところですね。
ここからはシュナン・ブランの産地として有名な、フランス・ロワール地方と南アフリカのワインの基本情報をご紹介しますね。
代表産地 フランス・ロワール地方
フランス地図で見ると薄いピンク色のエリアがロワール地方です。
大西洋沿岸から内陸まで東西に広がる、フランス最長のロワール川(1,012km)沿いに広がるワイン産地です。
ロワール地方で造られるワインはと言うと、すっきり軽快な白ワインを中心に軽やかな赤ワインやスパークリングワイン、甘口〜辛口のロゼワインまで実に多様。
緯度は約47.5度で気候は全般的に冷涼ですが、大西洋寄りの西側と内陸に位置する東側とでは気候も異なり、植えられるブドウ品種にも違いが見られます。
シュナン・ブランは濃いオレンジで塗られたアンジュ・ソーミュール地区と、その東側の濃い緑色で塗られたトゥーレーヌ地区で栽培されています。
これらのエリアでは、同じシュナン・ブランを使って、気軽な辛口ワインから高級白ワイン、スパークリングワインに貴腐ワインと、様々なタイプのワインが造られます。
代表的なワイン
【スパークリングワイン】
クレマン・ド・ロワール(シャルドネやアルボワなどブレンド)
【辛口白ワイン】
クーレ・ド・セラン(*シュナン・ブランの最高峰で、フランス五大白ワインのひとつに数えられる)
トゥーレーヌ
ソーミュール(スパークリングも有り)
ヴーヴレー(甘口も有り)
【甘口白ワイン】
カール・ド・ショーム
ボンヌゾー
コトー・デュ・レイヨン
いずれのワインも豊富でシャープな酸味を備えていて、特に「クーレ・ド・セラン」や「ヴーヴレー」を始めとする上質なワインにおいては、10年、20年と長い熟成期間を経て楽しむこともできます。
蜂蜜のようなや熟した果実の甘やかさがありながら、イキイキ伸びやかな酸味があるシュナン・ブランは飲んでいて背筋が伸びるような優雅な表情を持ったワインです♪
注目産地 南アフリカ
南アフリカでワインが造られていることを、意外に思った方もいるかもしれません。
たしかに南アフリカが国際市場に参入するようになったのは、1990年台になってからのこと。
1991年にアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されたのを機に、経済活動や貿易が自由化されると長らく停滞していた南アフリカのワイン産業が息を吹き返したのです。
90年台から2000年代前半にかけては品質面でも大きく向上。
2000年代後半になると小規模ながら個性溢れるワイン生産者が台頭し、南アフリカのワイン産業は新たな局面を迎えています。
参考にした雑誌はWinart(ワイナート)の南アフリカ特集号です^^
そんな南アフリカでの主要品種がシュナン・ブランです。
同国で栽培されるブドウのうち約18%の面積を占めるのがこの品種で、以前と比べるとシェアは落ちるものの、南アフリカの白ブドウ品種としては代表的な存在です。
南アフリカでも甘口から辛口、スパークリングワインの原料として用いられ、完熟したフルーツ感と酸味のバランスが絶妙なワインが多く生み出されます。
南アフリカでは以前シュナン・ブランは「スティーン」という名前で親しまれていました。
私がソムリエ試験を受けた2010年は「スティーン」の名称で記憶をしましたが、現在は「シュナン・ブラン」の記載となっていますね。
伸びやかな酸味とミネラル感をより感じるロワール産と、濃密な果実感と酸味のバランスが楽しめる南アフリカ産。
産地による飲み比べをしてみるのも楽しそうですね♪
相性の良い料理
シュナン・ブランはさっぱりした前菜から魚介類はもちろん、軽めの肉料理と幅広く合わせられるブドウ品種です。
ただ、ワインにもフレッシュな酸味が楽しめるタイプから、甘やかさを感じる濃密なタイプ、木樽のきいた厚みのあるタイプと多様性があるので、タイプに応じて合わせる料理を考えていきたいですね!
【フレッシュな酸味が楽しめるタイプ】
サラダや白身魚のカルパッチョ、シーフードマリネ、魚介のフリット(塩・レモン)などさっぱりした料理、若いシェーブル(山羊)チーズ など
【甘やかさを感じる濃密なタイプ】
ヨーグルトソースで和えたフルーツサラダ(りんごやマンゴー、キウイなど)、白身魚のムニエル、帆立バター、海老のグリル、熟成したシェーブル(山羊)チーズ など
【木樽のきいた厚みのあるタイプ】
鶏肉のクリームソース煮やバターソース、豚しゃぶゴマダレ、白子グラタン(里芋、じゃがいもなどでも) など
【甘口タイプ】
フルーツタルト(洋梨、黄桃、りんごなど)、フォアグラのムース など
キリッと冷やして美味しいカジュアルタイプにはさっぱりとした冷菜を。
やや高めの温度で楽しみたいボリューム感あるタイプには、コクを意識した料理を。
ワインの個性に合わせて様々な料理を合わせて楽しんでみてください!
白子グラタンなんかはちょっと意外かもしれませんが笑、実際に合わせてみたらワインの芳醇さが一段階上がるようなマリアージュが楽しめましたよ!
おすすめワイン
ここからはソムリエ厳選のおすすめワイン【シュナン・ブラン編】をご紹介していきます。
ご予算や飲みたい気分に合わせて、ワイン選びの参考にしてくださいね!
クレ・ド・セラン(ロワール地方)
フランス五大白ワイン*のひとつ「クレ・ド・セラン」は、ぜひ一度飲んでほしい1本です。
フランスにおけるビオディナミ(天体の運行の影響などを取り込んだ自然農法の手法のひとつ)の提唱者であるニコラ・ジョリー氏が手がけるこのワインは、シュナン・ブランから造られる辛口ワインの至宝とも言える存在。
*フランス五大白ワインとは
・モンラッシェ(ブルゴーニュ地方)
・シャトー・ディケム(ボルドー地方)
★クレ・ド・セラン(ロワール地方)
・シャトー・グリエ(ローヌ地方)
・シャトー・シャロン(ジュラ地方)
価格は1万円台前半と、フランス五大白ワインの中で言えば求めやすい価格帯となります。
ただし、力強さと複雑味のあるワインですのであまり若いうちに飲むより、熟成させてから飲むことでその真髄を感じられます。
わたしも以前ワイン会で7〜8年熟成したものを飲みました!濃密で複雑さに溢れていて素晴らしいワインでしたが、もっと長く熟成させたものも飲んでみたいです!今から買っておいてセラーで寝かせるのも有りですね。
興味はあるけど「そんなに長く待てない!」という方や、もう少し気軽に楽しみたい方には次にご紹介するワインがおすすめです。
レ・ヴュー・クロ(ロワール地方)
同じくニコラ・ジョリーが手掛けるシュナン・ブラン100%のワインですが、価格は半分以下。
より気軽に、そしてクレ・ド・セランよりも早いうちから楽しめます。
エレガントで伸びやかな酸とフレッシュな黄色いフルーツのニュアンスが感じられ、2〜3日かけて飲んでみると日毎に変わる深い味わいをよりいっそう堪能できるはずです。
ブラハム(南アフリカ)
ここからは南アフリカのワインのご紹介です。
こちらはすでに何度かリピートしていて、つい最近も飲んで楽しめた1本。
冷たいうちはレモンやグレープフルーツ、石灰、りんごなどの爽やかさがあり、ハツラツとした酸味や後味の心地よい苦味が夏場の晩酌のお供としてもおすすめです。
また、ワインの温度が上がるにつれてコクとボリューム感がアップして、また違う魅力が見えてくるのも楽しいところ。
とろり滑らかな舌触りと、果実感と綺麗に融合した樽からくるバニラのような甘みが上品に感じられる飲みごたえある1本です。
ワインのプロフィールを見てなるほど、50%が木樽発酵・熟成のワインです。
クルーフ・ストリート(南アフリカ)
こちらのワインはラベルが特にお気に入り!
鮮やかでエレガントなブルーのラベルが素敵ですよね。
甘くまったりした黄桃やマンゴーの果実感を前面に感じつつ、リンゴのような豊富でシャープな酸味がワインをしっかり支えていて程よいキレが魅力的。
樽の要素は1個前のブラハムよりも控えめで、洗練度を感じさせます。
現在、南アフリカでも高い評価を得ている生産者「マリヌー」が手掛ける上質なワインです。
以上、私がおすすめしたい4種のシュナン・ブランでした。
伝統産地フランス・ロワール地方のワインラヴァー必見の上質ワインを試すも良し!
注目産地 南アフリカの魅力溢れる個性に触れるも良し!
あなたがピンときたワインをぜひ試してもらえたら嬉しいです♪
まとめ
シュナン・ブランの特徴や主要産地、合わせたい料理について解説しました。
【まとめ】
特徴・・・花梨やアプリコット、黄色い花や蜂蜜など甘やかで濃密な香りと豊富でシャープな酸味
代表産地・・・フランス・ロワール地方、南アフリカ
料理・・・すっきり辛口タイプにはさっぱりした冷菜、厚みのある濃密タイプにはバターやクリーム系肉料理も
おすすめワイン・・・ロワールの鬼才ニコラ・ジョリーが手掛ける本格ワイン2種と、南フランスの親しみやすく味わい深い2種をご紹介
多彩な魅力を持つシュナン・ブランが、今後のワイン選びの選択肢に加われば嬉しく思います!
今日の記事はここまでです。
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この記事を書いた人
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個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine
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