能登「ハイディワイナリー」さんを訪問。〜ブドウ畑&ワイナリー見学編〜
日本海を見渡せるこの美しい畑の景観は、奥能登に位置するハイディワイナリーさん。
石川県輪島市門前町の小高い丘の上に建てられたワイナリーです。
大変嬉しいことに、石川旅行のプランにハイディワイナリーさんの訪問を組み込むことができ、そこでの時間はとても素敵なものでした。
前回の記事でお届けしたのは、窓辺からの絶景が素晴らしいレストランでのランチについて。
今回の記事は、ブドウ畑&ワイナリー見学編。
ワイナリー見学&テイスティング(2種類):1,000円/人
事前の予約が必要となります。
HIDEE WINERYさんのスタッフの方が大変親切に、分かりやすく説明をしてくださりましたので、ささやかですが感謝の気持ちを込めて。
そして、ワイナリーの魅力だったり、日本ワインやその故郷への興味を持っていただけたらと思います。
レストラン編もたくさんの方が記事を読んでくださり、ありがとうございます!
また訪れたいくらい本当に素敵な場所です。。。
Contents
ハイディワイナリーのブドウ畑
何度見てもため息がもれるようなハイディワイナリーさんの畑。
私たちが行われた9月末は、ちょうど収穫を終えたばかりの頃でしたが、生い茂るブドウの葉っぱと海の青とのコントラストが美しくて胸を打たれました。
日本海に面する北陸県地方でのワイン造りを意外に思われる方も少なくないかもしれません。
ですが能登半島は日本海側でありながら晴れやすく、周辺に高い山がないため雲切れもよく、県内でも能登は断然晴れやすいんだとか。
ワイナリー担当者さん曰く、こちらの畑の土壌はこのようなバランスだそう。
・粘土質…7割
・砂…2割
・砂利…1割
「ボルドー地方の右岸に近いイメージです」とのことで、植えられているブドウ品種もボルドー系のものが中心です。
黒ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、プティ・ヴェルド。
白ブドウはソーヴィニヨン・ブランやセミヨン 、シャルドネにアルバリーニョも。
皆月湾からの海風が吹くことで畑の風通しが良くなり、湿気やカビ系の病気を飛ばしてくれるそうです。
畑を取り巻く環境がブドウの成長を左右します。
実際に畑に立ってみることでワインの生まれ故郷を肌で感じられて、ワインへの愛着が増しますね。
過疎化が進む能登半島でのワイン造り
実は能登半島は、石川県内で一番過疎が進んでいるそうです。
2007年の能登半島地震でさらに過疎化したとのこと。
ハイディワイナリー社長の高作正樹さんは横浜生まれ。
お父様の故郷・能登の地域振興を目指し、健全なブドウが育つのに適したこの土地で妹さんと共に、2012年にゼロから畑を開墾されました。
ハイディワイナリーHPより
社名の「ハイディー」は、『アルプスの少女ハイジ』に由来しています。
ハイジを英語読みし、『ハイディ』となりました。舞台となったスイスの村には、ぶどう畑やワイナリーを中心に、美しい町の景色が広がっています。
地産地消型の小さなワイナリーが多く点在し、流通に乗ることのない『そこでしか飲めないワイン』とともにスイス料理を楽しもうとする人たち。
そんな活気あふれる景色、ワイン造りという産業を中心として広がる空間、それがこの町の過去と未来を紡いでいる。
『こんな町を、わたしたちもつくりたい』そんな想いから、『ハイディワイナリー』が生まれました。
親族や地域振興に共感した地元の人の協力があり、また行政を巻き込みながら、ワイナリーの歩みが進んできたとお話してくださいました。
私もこうして記事を書いたりSNS発信等を通して、日本各地のワイナリーを応援していきたいですし、
最近は各ワイナリーさんのSNS投稿で畑の四季やワイン醸造の様子をみるのが大きな楽しみになっています。
ハイディワイナリーさんのインスタグラムもとても素敵な投稿ばかりですので、ぜひご覧になってみてくださいね!
醸造所の様子
さて、いよいよお待ちかねの醸造所内部へ!
中に案内していただくとワイナリー特有のなんとも素敵な香り(うまく表現する言葉が見当たりません笑)が、、、
ステンレス製のピカピカの発酵槽がずらり。
とても分かりやすく、収穫後のブドウがワインへと仕込まれていく様子を説明してくださいました。
自社ブドウを使ったワインは2014年のソーヴィニヨン・ブランがファーストリリースだったそうで、去年くらいから安定した量を造れるようになったとのこと。
ワイン造りって、気が遠くなるような時間や労力を要することをつくづく感じさせられます。。
だからこそ、ワインが生まれた背景や生産者の想いを知ることで、飲み手側の私たちもより大切にワインに向き合えたらなと思うのです。
白ブドウの果汁を搾るプレス機。
苦味の含まれる種まで潰れてしまわないよう、優しく潰してフレッシュでフルーティな果汁をとっていきます。
ワイン醸造のプロセスについても、現場の方からお話を聞くことで「なるほど〜!」と実感を持てるようになるのがワイナリー巡りの良さですね。
続いてはワインの樽貯蔵庫へ。
およそ1ヶ月をかけ発酵を終えた赤ワインが、この樽の中で眠ります。
樽は何年か使っていくとワインへの風味のつき方も変わっていくので、業者さんに樽内部の焼き直しをお願いしたり、様子をみて買い換えたりもするそう。
こちらはなんと、今年初の試み!
シャルドネの樽発酵の様子です。
貴重なものを見させていただきました。
2020年はご存知の通り、梅雨が7月まで続き、そうするとブドウに病気が発生しやすくなってしまうんですよね。
そのために散布した薬も雨で流れてしまったりと、ブドウ栽培にも苦労されたそうです。
ですが、その後8月にはカッと晴れて、ブドウの成熟も促され、、、そんなブドウからどんなワインが仕上がるのか楽しみです。
2種のワインテイスティング
醸造所での見学を終えた後は、レストラン&カフェに戻りカウンターで2種のワインをテイスティング。
白ワインは「千里 アルバリーニョ 2019」。
アルコール10.5%と優しめなのですが、辛口な味わいとのバランスが良く、魚介のお料理に合わせてじっくり味わいたくこちらをいただいて行きました。
赤は「千里 ルージュ 2018」。
メルロ70%にブレンドされた30%のプティヴェルドが良いアクセントに。
ほんのり磯のニュアンスを感じる、心地よいタンニンと酸味、コクのあるワインでした。
ハイディワイナリーのワインが買えるお店
ハイディワイナリーさんのワインは、現在オンラインショップで販売されています。
または金沢駅近くのハイディワイナリー金沢でも試飲やワインの購入ができるようなので、ご旅行やお出かけの際にはぜひ足を運んでみてくださいね。
最後に
写真を見て以来、ずっと憧れだったハイディワイナリーさん。
まるで海外のワイナリーに来たかのようなロケーション、開放感あって美しい景色を一望できるレストランにブドウ畑、ホスピタリティあるスタッフの方のワインのお話に、現地で飲むワインの美味しさ。
素晴らしい時間を過ごすことができました。
こうして、ワインが育まれる情景や空気を肌で感じ、造り手の方の「生の声」を聴かせていただけることが本当に貴重でありがたいことです。
ストーリーを知った上で飲むワインは、より豊かで格別なもの。
今回経験してきたことを、今ご覧いただいているこのブログやレッスンの中でもまたお伝えしていきますね!
>>能登の「ハイディワイナリー」さんを訪問。〜レストランでランチ編〜
写真を見返しながら書くワイナリー訪問レポ、楽しかったです!
実はまだ載せ切れてない写真がありますので、また別の機会に♪
この記事を書いた人
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個人でワイン講師やオンラインショップ、ワイン通信講座など、ワイン事業を行っています。
「正しく」より「楽しく」ワインを飲める人を増やしたい。そんな想いで日々活動しています。
Instagram:@hiromi_wine
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